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ありのままの君が好き
ありのままの君が好き
ありのままの君が好き
樹生 かなめ, 雪舟 薫

「俺のぶーになれよ、幸せにしてやるから」人呼んで『ぶたごりら』の四天王寺寿杏はゴリラの巨体に乙女の心を持ち、父親が死んだら自分死ぬと断言するファザコンの成人男子である。外を歩けば後ろ指さされ、家でめそめそ泣いてお菓子を貪り食べる・・・そんな寿杏の家に、ある日、高校時代の同級生で父親の弁護士事務所に勤める、若手弁護士・英駿二が同居することになるのだが!?好き、好き、好き、好きになる?誰が誰を好きになる?人生を豊かにするウルトラ・オトメチックラブ誕生!!


ブタゴリラという単語を見てから覚悟は決めていたものの、いざ読んでみると木原音瀬氏作品「Don't Worry Mama」に匹敵するほどの衝撃作でした。


作者さんが後書きでおっしゃられているように、この作品のテーマは

綺麗じゃなきゃ愛されちゃいけないの

という事に限ると思います。
何せ受けである四天王寺寿杏が身長202cm、体重170kg、顔がゴリラ、要領が最高に悪い、ファザコン、内気な引き篭もりという「Don't Worry Mama」の今蔵にも勝るとも劣らない恐ろしい設定。
今蔵はまだ最後にはその体質や性格が改善されたから、まだBLファンにしてみれば許せたのかもしれませんが、この「ありのままの君が好き」では最後まで受けである四天王寺寿杏は変わりません。
顔が整形手術でも施したかのようにキューティーになるとか、あまった皮は何処に行ったんだと小一時間問い詰めたくなるほど痩せるとか、性格改善セミナーに通ったのかと思えるほど性格がラテン系になるとか、そんな事は一切ありません
タイトルの通り、「ありのまま」最後まで突き通します。
そして、そんな「ありのまま」の寿杏を、超イケてる(死語)英駿二は「ありのまま」に愛します。
最後まで読めば、「ありのまま」でいることの愛しさが何となく感じられます。
初めは果てし無くウザかった寿杏のことが可愛く思えてきます(ブタゴリラだけどめためたに可愛い)
英駿二がデブ専で良かった本当によかった(*´д`*)
寿杏を幸せにしてくれいと父親になった気分で言いたくなること間違いなし(すごい適当に言い切った)

だけど、「ありのまま」で居るということは本質が純粋である人にだけ許される特権です。
大抵の人は「ありのまま」で居たらダメです(ォイ)
薄汚い自分は猫を被って隠しましょう。


蛇足ですが、一人では生活できず父:嘉一に養われている寿杏は依存系に見えるかもしれないけれども、本当に依存しているのは嘉一と英駿二なんだなと最後には感じられました。
他人と腹を割った付き合いができない彼ら二人には、寿杏の傍にしか安心できる場所がないんですよね。
寿杏はラストには依存せずとも一人で生きていけそうな逞しさを見せてくれるけれども(ダイエットを始めようとするとこなんか)、この二人は更に依存を深めてしまったように思える。
寿杏が変わらないのを望むところなんか、少し滑稽なぐらい依存しているなあと思った。
それが良いとか悪いとかは言えないのだけれども(本当に蛇足だ)
| bl novel | 23:52 | comments(0) | trackbacks(93) |
HOME
HOME
HOME
木原 音瀬

内容(「MARC」データベースより)
青木篤は好きだった男の姉の子供・直己を育ててきた。篤を嫌っているようにさえ見える直己が大学生になったのを機に別れて暮らすことを提案したが、直己はガンとして同意しなかった。そのうえ篤を無理矢理抱こうとし…。


痛い作品NO.1と大評判な「HOME」、この度目出度く読了致しました。
読んだばかりでまだかなり気持ちが浮き沈みしているので、文章が支離滅裂になりそうなのですが、この怒涛のような感情を今吐き出さないと勿体無い気がするので今回は滅茶苦茶に書かせて頂きます。

何と言うか、篤と直己と関係って本当に報われないものだよなあ。
篤の、嫌な事は後回しにして結局何もやらない臆病な性格。
直己の、排他的で責任転嫁ばかりする自己中心的な性格。
組み合わさらないジクゾーパズルを無理矢理隣同士に置いているようで、そのどうにもならなさに酷いジレンマを感じてしまう。
無理矢理組み合わせようとするとジクゾーパズルは折れ曲がってしまう。
それと二人は同じ。
早く離れないと、一緒にいることを諦めないと、ぐちゃりと二人とも歪んでしまう。
そうして、結局最後はぐちゃりと二人とも歪んでしまった。
二人揃って、前も後ろも上下もない深淵まで真っ逆さま。
もうどうにもならない所まで二人揃って落ちてしまったんだなと思うと、何だか酷く悔しくて、悲しくて、涙がぼたぼた零れた。
何もかもが歪んだ方向へと進んで行ってしまって、それでも御互いに離れられない姿が哀れで、滑稽なくらい愛しくて、阿呆としか言えなくなってしまった。
二人一緒にいることが救いにならないBL小説なんか始めて読んだ。
だけど、あれだけ存在価値を欲しがった直己が自分の存在を否定してまで、篤を「すき」でいた事がとても愛おしかった。
自己中心的な直己が牋紡瑤砲覆辰討泙猫疇討魑瓩瓩浸が、恐ろしく、愛おしかった。
それでも、結局あの二人は結局平行線を辿るんだろうと思う。
直己は相変わらず自己中心的で怖がりで、篤は臆病で一歩踏み出せなくて、どちらも変わらないし、変われない。
だけど、いつか何か転機が訪れるんだろうか。
彼らの爐海譴ら瓩一切想像できない。
あのまま延々と気詰まりな生活を続けたんだろうか。
それとも、何か別の道を見出せたんだろうか。
行き先が真っ暗。

だけど、私はこの「HOME」という本がとてもすきでした。
どうにもならないジレンマや苦しみ、最低な選択、その終幕、全部ぐちゃぐちゃになって、突き離し合って、それでも篤と直己にどうしようもなく「すき」という気持ちがあるから、どうしてもこの物語も登場人物も何も嫌いになれない。
その「すき」は、こう輝くような明るい「すき」じゃなくて、泥の底に沈殿してどろどろした粘着質な「すき」だと思うけど。
その泥の名前は、たぶん身勝手とか不安とか恐怖とか嫉妬とか、そういう人間臭くて眼を背けたくなってしまうような醜悪なものだろうけど。
だけど、愛しい。
愛おしい。
だから、ほんの少しだけ自分の心の中に光を見出したい。
何もかもぐちゃぐちゃでも、二人幸せになれただろうと思っておきたい。
| bl novel | 11:07 | comments(0) | trackbacks(1) |
Don't Worry Mama
Don't Worry Mama
Don't Worry Mama
木原 音瀬, 志水 ゆき

出版社 / 著者からの内容紹介
仕事で小さな無人島を訪れた裕一は、ちょっとした手違いから、その島に取り残されてしまった! 迎えが来るまでここで生きていかなければならないのに、たった一人の同行者・サイテー上司の今蔵は、ふだん以上に役立たずでムカつく存在。二人きりの生活の中、鉄壁の外面のよさを誇る裕一も、次第に限界に達してきて! ノベルズ化は不可能と言われたBL界屈指の話題作が奇跡の登場!! 書き下ろしはラブバースディ


デブ/包茎/マザコン/自尊心ばかり強くて役立たずが受けという異色のBL小説。
読み始めた当初は、

「この今蔵って奴、銀行強盗とか起こったとき、一番初めに犯人に銃殺される嫌味な上司タイプだよなあ」

という妙に具体例のある不安に囚われつつ読んでいたのですが、それが読めば読む程、何だかその最低な今蔵が可愛く見えてくるんです!(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
でっかい芋虫のような指と描写されるような今蔵が、三重顎を通り越して四重顎な今蔵が、お菓子を隠れて貪り食うような今蔵が、可愛いって思えてくるんですよ!
最後辺りは、もう自分で自分の性癖を疑いながら読んでいました(あたしってデブ専だったっけ…?)
しかも、どんどん今蔵が可愛くなっていく_| ̄|○
当初は作者にすら「背後の今蔵に振り返った」ではなく「背後のデブに振り返った」等と手酷い描写をされていたのに、それが裕一と打ち解ければ打ち解ける程、素直かつ純粋な部分を見せていって、友達気分で「裕ちゃん」なんて呼び始めたときは、もうこいつは乙女かとラヴラヴかと。

デブなのに正統派乙女だ (゚д゚lll)ギャア

しかも、始めは常人かと思っていた攻め/裕一の方も、何気なくショタコン/無駄毛嫌いというアブノーマル嗜好の持ち主。
その裕一が次第に最低デブの今蔵に性欲を抱き始める描写、爆笑しました(失礼)
というか、読んでいる間、私は常に笑いを堪えていたように思います。

そして、やっぱり愛はすごいのね。
今蔵の豹変っぷり、始めに比べると、もう眼を疑う程でした。
今蔵さん脂肪吸引しちゃったんデスカー!?
余りの豹変っぷりに僅か違和感はありましたが、コンップレックスを少しずつ解消させて行く描写のおかげで「こんなのありえねー」とまでは思いませんでした。

受けに独特のクセはあるけれども、木原氏にしては全く痛いと思えるシーンのないラヴラヴな作品でした。
そして、エロも思った以上に多いです。
(※もちろん体重130kg近いときでのエロシーンもあります(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル )
デブ受けという特殊な設定に耐えられる方は、案外この作品から入るのも良いのではないでしょうか。
最後はほっこり心温まります。


蛇足:
志水ゆき先生、挿絵頑張ったんですね(視線逸らしつつ)
あの絶妙に、見えそうで見えないボンレスハムな身体…。
本当におつかれさまでした・゚・(つД`)・゚・
| bl novel | 22:41 | comments(3) | trackbacks(10) |
今宵、天使と杯を
今宵、天使と杯を
今宵、天使と杯を
英田 サキ, ヤマダ サクラコ

(裏表紙より)
人生なんて一寸先は闇――飲み過ぎたある夜背中に天使の刺青を背負うヤクザ四方と一夜の過ちを犯してしまったらしい柚木は、それ以来しつこく迫られ肉体関係を強要されるようになってしまう。その上会社からはリストラを宣告され妻には家出されて…。純情ヤクザ×中年リーマンの奇妙な関係の行方は!?


 四方が時々口にする「嬉しい」という言葉。きっと喜びの感情を表現する言葉がそれかないのだろう。
 こいつは子供なんだ。愛されずに育ってしまった子供。だから人を愛することも知らないまま、今まで来てしまったんだ。



皆さんおっしゃられてる事と同じなんですが、「英田サキさんは「読ませる文章」を書かれる方だな」と読んでいて改めて私もそう思いました。
技巧を凝らした文章というわけではないのだけれど、言葉の使いまわしが良くて、読んでいる読者に苦痛を与えない。
朝起きたら裸の男とベッドに寝てたという、ありきたりなシュチュレーションから始まるにも関わらず、「またこの展開かよ」とは思わせず、「これから一体どうなるんだろう」と言う興味を読者に抱かせてくれる。
段々とノリが軽くなっていくBL界にとって貴重な作者さんの一人です。

そして、読んでいる途中に思ったのだけど、この人は木原音瀬さん程ではないけれども、不幸の書き方が上手い(誉めてます)
主人公/柚木は無精子症+インポ+アル中、その上リストラまでされて、リストラした日に妻にも捨てられた。
男の命でもある職業と妻を一度に失ったわけです。
これだけでもかなり不幸なのに、柚木が家を出て行こうとする妻に見っとも無く縋り付いたり、ヤケになって酒を飲んで飛び降り自殺しようとしているシーンを見ていると痛くて堪らなくなる。
そうして、そんな情けない自分の下に残ったのは、何故だか自分に惚れているヤクザだけ。
飛び降り自殺をすると宣言した自分を、靴下も左右バラバラで、ボタンも1つ付けられてないグチャグチャな服装で慌てて助けに来てくれるヤクザだけ。
こういう主人公をどん底まで叩き落して、相手にしか縋る場所がなくなるという物語はだいすきです(性格悪い)
そこで、トドメとばかりに四方の過去を持ち出したから更に良。
これは母性本能くすぐられます(柚木は男)

柚木が中途半端な人間というのも、案外共感を持ててよかったかな。
酒を飲むと気が大きくなって冗長な正義感のもと誰にでも喧嘩を売る。
だけど、普段は気弱で長い物に巻かれる奴。
そして柚木だけでなく、四方も強面で喧嘩も強い癖に、何処か感情が欠けているという中途半端な人間だった。
自分の感情に対して疎くて、柚木を引き止めるのにも子供っぽい言葉しか言えない四方はとても愛おしい。
柚木も四方も無駄に完璧な人間にせず、人間的に欠けてる部分があって、それを物語中で次第に埋めていく感が良かった。

多少物語にこじつけと言おうか、そんな偶然あるわけない、と思える部分はあるのですが、ちゃんとBLとしても人間成長の物語としても読める良作です。
そして、支離滅裂な感想ごめんなさい_| ̄|○
毎回途中で書いてる事がわけわかんなくなっていく(絶命)
| bl novel | 17:07 | comments(19) | trackbacks(6) |
恋愛仁義
恋愛仁義―俺の背中に手を出すな!
恋愛仁義―俺の背中に手を出すな!
高月 まつり

元ヤクザの若頭・遼一は、見た者すべてを虜にしてしまうという「魔性の美背中」を持つ男。「誰にも見せるな」と先代組長は遺言を残すが、建設会社の社長・龍介がその美しい背中を覗き見て一目惚れ。強引な龍介に触られ、遼一は腰砕けのどーにでもして(ハート)状態に!?──実は、その超敏感な背中が弱点だったのだ! 図に乗る龍介は「調教してやる」と迫ってくるし、舎弟&他の組の奴らも遼一の背中を狙ってきて!? 究極のエロフェチズム・コメディ!


全体評価 ★★★☆☆
エロ評価 ★★★☆☆

受けもあり得ない、攻めもあり得ない、その他脇役もあり得ない、設定もあり得ない、何よりも「魔性の美背中」があり得ない、この全てにおいてぶっ飛んだ設定、ワンダホー高月まつりさん!

そんなあり得ないだらけのハイテンションな美背中小説。

物語は始終「美背中」をキーワードとして進んで行きます。
何と言うか、これはBLを書きたかったと言うよりも、如何に美しい背中が人を惑わすかという事を書きたかったようにしか思えない。
事ある事に美背中が賞賛され、愛され、とうとう「美背中を愛でる会」なんていうHPまで出現してくる(美背中信仰者多数)
そして、その美背中を褒め称える人々の台詞に毎回笑わせて貰いました。

『お前の素晴らしい美背中に栄養クリームを塗ってやったり、血行のよくなるマッサージをしてやることがもうできないとは。お前の美背中がこれからどうなってしまうのか。それだけが心残りだ。いいか、遼一。目垢がつくから、その背中は絶対に他人に見せるな。手垢がつくから、絶対に他人に触れさせるな。そして、毎日のお手入れは忘れずに』

どんな厳重さですか。
だけど、そういう誉め言葉にも嫌味がなくて、むしろその素直さに肩をぽんと叩いて同意を示したくなるような感じでした。
これは下手に格好付けた言い回しをせずに、率直に欲望を叩き付けたような台詞だから、こんなに可愛く思えるんだろうな(誉めてます)
いつも思うのだけど、高月まつりさんの文章って本当に裏表がないよな。
深みがないとも言うのだけど、その素直さはある一種の才能だとも思う。
文章に嫌味がないもの。
例え幾ら物語が軽くても、読むのを止めようとは思わない。
それは高月まつりさんが本当にその物語を愛して創っているからだと思う。
美背中とか、高月まつりさんのフェチズム垂れ流しみたいな(誉めてま/以下略)

特に物語中に出てくるクラブ「天国の門」のママが一番ハジけてました。
クラブのママがいきなり未来予知かよ。その上、百発百中かよ
いきなりその場に倒れ込んでトランス状態。
そして起き上がれば「あなたたちは前世でも恋人同士だったわよ」とか言うし。
そのぶっ飛び加減に思いっきり噴き出しました。
笑わずにいられるものか。
もういっそこの常識を平気で足蹴りにする非常識加減がいとしい。

でも、遼一(受け)と龍介(攻め)の容姿を過剰なまでに美形にするのはどうかと思う。
特に遼一、遼一は魔性の美背中があるんだから顔はもっと強面だけど凡庸で良いじゃん!堯福Д´;)ドウイウ拘リダヨ
まあ、これはBL本特有の美に対する撞着だから仕方ないかもしれないけれど。
やっぱりBLという夢を見たい腐女子にとって不細工は嫌だものね。


総合:
物語に深みはないけど、美背中という単語に反応する人にはお薦め。
世界は常に美背中を中心に回っています(何処の宗教だ)
| bl novel | 13:28 | comments(0) | trackbacks(1) |
WEED
WEED
WEED
木原 音瀬

出版社/著者からの内容紹介
エリート医師の若宮と悪友・谷脇はある雨の夜、一人の男を拾う。一夜限りの刺激的な遊びと、男を無理やり弄んだ若宮たちだったが、一週間後その男・岡田と偶然再会してしまい──。あなたの心にきっとこの恋は突き刺さる。ファンならずとも見逃せない、空前の大ヒットシリーズ! 大量書き下ろし続編も収録!!


読了に2〜3時間程度、結構読み易かったです。
ただ他の木原氏作品に比べたら、私の好みには合わなかった(;´Д`)
大ヒットシリーズの1作目なのに('A`)

私の好みに合わなかった理由は、

1.御互いがすき合う過程が解り難かった(特に岡田/寂しさだけじゃ理由が薄い気がする)
2.若宮の不安が少しは解消されるかと思えば、最後まで全く現状が変わっていないから
3.若宮だけでなく岡田からの視点も欲しかった

主にこの3つです。
「WEED」では若宮の「嫉妬」に主点を当てているためか、恋とか愛とか成立する様子が少しおざなりになっていて、2人が思っていたよりも簡単に恋人になってしまうんですよね(強姦されたーのーにー)
だからこそ、2人が惹かれ合った理由が余り解らないと言おうか、理由が薄いと言おうか、どうしてそんなに惚れ込んでしまったのと問いたくなるような('A`)

しかし、矢張り木原音瀬氏作品、人のどろどろとした部分を浮き彫りにすることで愛情に深みを持たせています。
岡田が女性と喋るだけで、若宮が不安に駆られ、嫉妬に怒り狂う姿は浅ましいながらも、その切実さ必死さが胸にガツンと来ました。
何だかんだで岡田は懐が大きく完成された性格だから余り感情移入はできず、それに反比例して常に不安に駆られて苛苛している若宮の方に物語中は感情移入し続けました(だからこそ、若宮だけでなく岡田からの視点も欲しかったです。岡田から見た若宮とか)
岡田に捨てられたくないのに、岡田の気持ちを試すように浮気に走る若宮の姿には、憤怒よりも哀れさの方を多く感じます。
そして、だんだんと間抜けで冷徹で卑怯で高慢だけど、好きな人に捨てられたくなくて悶々としている若宮が可愛く見えてきます。
木原音瀬氏マジックヽ(゚∀゚)ノダマレ

「WEED」続編はあとがきで木原音瀬氏がおっしゃってる通り、「岡田は足が速いんだよ」みたいな物語でした。
マラソン時の岡田の描写すっごいすきでした。
彼は本当に走るのが楽しいんだね。岡田の爽やか度が急激上昇。
ちなみに、ここでも若宮の嫉妬は爆走状態ですヽ(゚∀゚)ノ


「WEED」と同シリーズ「FLOWER」と「POLLINATION」の主人公である谷脇は本当にいいとこどりでした(;´Д`)
自分は大した被害も受けず、若宮と岡田の関係を引っ掻き回せるだけ引っ掻き回す。
私はすきでも嫌いでもないのですが、谷脇がすきな方は本当に谷脇ラヴ状態だそうです。
鬼畜好きですか(人聞きの悪い)

-----------------------------------------------

追記:
よく考えたら「若宮の不安が少しは解消されるかと思えば、全く現状が変わっていないから」というのは仕方ないことなのかもしれない。
最後の最後になって「もう相手を信じるしかないんだ!」とか「彼は絶対に浮気しないから大丈夫だ!」なんてあれだけ嫉妬した奴が心を入れ替えたりする方がよっぽど珍しくて、ファンタジーじみてる気がする。
実際には人間っていうのはなかなか他人を信じられないものですよね。
それが例え恋人でも。
だから、この「WEED」の結論は「妥協」みたなものなのかもしれない。

一緒にいると不安に駆られてしまう。嫉妬してしまう。寂しくなってしまう。
だけど、側にいないのは、もっと寂しい。
だから、疑いながら、確かめながら、不安でもずっと一緒にいたい。

不安が解消されない事を許容してでも側にいたいという「妥協」の物語。
妥協という言葉はあまり良いものではないけれど。
| bl novel | 11:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
極楽浄土はどこにある
極楽浄土はどこにある
極楽浄土はどこにある
樹生 かなめ, 神葉 理世

内容(「BOOK」データベースより)
都会の異次元空間、泉妙寺は筋金入りの貧乏寺。しかし美貌の住職・松前義旬は貧しさなど意に介さず、托鉢と自家製の野菜を日々の糧にひたすら清く正しい生活を送っていた。そんなある日寺にやってきたのは檀家であり美術商を営んでいる美青年・仁科博紀。彼はこともあろうに泉妙寺の仏像を外国人客相手の商品として売り出したいと言ってきた。頑なに申し出を拒もうとした松前を陥落するため、博紀が取った神仏をも恐れぬ行動とは―!?頑固一徹で綺麗な坊さんに惚れ込んでしまった青年実業家の愛は果たして報われるのか?小説ピアス掲載の二編他、書き下ろしの完結編を含む全三作品を仏罰覚悟で完全収録。


坊主受けです。
正直言って、こんな恐ろしいBL本を読んだのは初めてです。
こんな、会えばエロ、見ればエロ、開けばエロというBL本に出会ったのも初めてでした('A`)
挿絵で普通な状況の絵を探す方が難しいです。まともなの1枚ぐらい?(少なッ)
ノリはめためたに軽いし、エロシーンだけでページ数が埋まってるようなものなので読み終わるまでに1時間弱程度でした。
タチである仁科博紀は初っ端から松前にベタ惚れですし、何だかんだで松前も流されてますし、恋愛とかそんな要素はとっくにすっ飛ばしてエロのみです
もう此処までエロに徹してくれれば、いっそ清々しいですね( ・∀・)
何せ尻に大根とか蝋燭とか線香挿したりイェオアltじゃおあrj、kふjk(ちゃぶ台ひっくり返し)

そんなこんなで、稀少かつ背徳的な坊主受けが読みたい方は一度チャレンジしてみるのも楽しいんじゃないでしょうか(投げ遣り)
私、責任は一切取りませんが。

そしてもうひとつ。
ピアスノベルの応募規約の1つに「3分の1以上がリアルな描写のHシーンでなくてはならない」とか何デスカソレー!(´A`)
もう応募規約からして常識すっ飛ばしてるよ!
これがBLデスカ!?
これが真の娯楽BLデスカ!?
もう息止まりそう('A`)ワタシ マダマダBL初心者ダワ

----------------------------------------------------------

後日追記:
作者さんをよく見たら「樹生かなめ」氏、以前から私が気になっていた方でした。
でも、こんなエロばっかの初対面は素直に喜べません(;´Д`)
それでも文章が最低と言うことはなかったので、他の作品も読んでみます。
| bl novel | 14:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
恋愛時間
恋愛時間
恋愛時間
木原 音瀬

内容(「BOOK」データベースより)
突然、ずっと可愛がってきた会社の後輩の広瀬に、「好きです」と告白されて、有田はびっくり。人のよい、おだやかで優しい男を、有田も嫌いじゃない。しかし、男同士なのだ…。男の自分に、女を見るように「恋している」んだと知り、そう意識してしまうと、有田は今までのように接することができない。自分を見つめるせつなく熱い視線にとらわれて、落ちつけない有田は、とうとう広瀬を呼び出すが…。―みんなも恋がしたくなる、優しい恋物語。


どうしたんですか、木原音瀬氏(゚д゚lll)
今まで痛さが嘘みたいに普通に甘いですよ「恋愛時間」。
いえいえ、別に悪いと言っているわけじゃないんです。
唯、これまでの木原音瀬氏の作品を読んでいて胸に釘をガツガツ打ち付けられるような痛みが「恋愛時間」には殆どなかったので、気合入れていた分拍子抜けしたと言おうか、安心したと言おうか。
うーん、カルチャーショック?(´・ω・`)チガウ


「恋愛時間」は「LOOP」で少しだけ登場した有田英一の兄:有田学のお話です。
表題作「恋愛時間」は有田学の視点から次第に広瀬に引かれていく様子が描かれ、「恋人時間」ではまだ両思いになりきれていない2人の姿が広瀬の視点から描かれています。
「恋愛時間」は広瀬から唐突に告白された有田の戸惑いや、弟が男と駆け落ちしたという過去のトラウマから来る嫌悪感等が、広瀬の多くを望まない控えめな行動で次第に緩和されていき、恋愛感情に発展するまでの話でした。
他の作品に比べればまだ優しいものの、矢張り此処で有田が広瀬へと突きつける嫌悪は何だか裏打ちされたリアルさがあって少し痛かったです。ギッときますね。ギッと。
だけど、それが必要以上に痛くならず、優しい雰囲気まで持っていけて、尚且つそれが持続できたのは、主要人物の有田と広瀬が2人とも「大人」だったからだろうな。
今まで私が読んだ木原音瀬氏作品では、必ずタチかネコ片方、もしくは両方が何処か「子供」なんですね。
欲しいものは欲しいと喚き、手に入らないなら周りのモノに当り散らすという駄々っ子。
正直そんな幼稚園児に等しい奴に暴れられたら自然と作品の雰囲気は殺伐としたものになるでしょう。
しかし、今回の「恋愛時間」では有田も広瀬も御互いを思い遣りつつ、社会体裁もある程度繕うことのできる「分別のある大人」で、だからこそ、この「恋愛時間」は今まで私が読んだ作品とは打って変わった「品の良い優しさ」が滲み出ていました。
ボーイズラヴというよりも、穏やかで自然なメンズラヴな感じ。
大きい展開がない分だけリアルさが感じられますが、それに飽きるという人も何人かは居るでしょうが(正直私も途中で脱落しかけてしまいました、申し訳ないです_| ̄|○)

御互いが両思いになった後の話「兄の恋人」では広瀬の弟:智晴の一人称で物語が語られます。
此処で一旦、家族から見た同性愛というものが露見されます。
特に広瀬の妹である美和の言葉には腹が立つものの、意外と的を射たものだとも思いました。
私だってBL本を幾ら読んでても、自分の家族や身近な人が同性愛者だと知ったら、正直今までと同じ対応をできるかどうか解りません。
美和と同じように「まともな道に戻って」とか「オカマ」とか思ってしまうのかもしれません。
そんな事を思っていたからこそ、自分勝手な美和の言葉の真意を最後に知った時には、もう何だかすごい美和が愛しいと思えました。
彼女は子供のまま喚いていたわけじゃなくて、大人になりかけていたが故の叫びだったんだなと。

ラストを飾る「海岸線」では「兄の恋人」の余波を引き摺っていたためか、所々胸を痛ませながら、じっと2人を見守る気分でした。
思いがけず有田が広瀬へと向けていた愛情を知って、言葉が詰ります。
本当に、深い愛だなあ。


木原音瀬氏独特の生々しい痛みがなくなった分、全体的に地味ながらも、穏やかな空気が漂っていて、読んでいて心地良かったです。
もし木原音瀬氏の作品に挑戦(K-1チャンピオンか)しようと思う方がいたら、「恋愛時間」のような柔らかいお話から入るのも良いかもしれません。
私は敢て痛いのから入れとは言いません。痛過ぎるのに当ると、軽くトラウマになる予感がします(ェ)

そして、私はいい加減木原音瀬氏の作品を語るときに「痛い」という言葉を連発するのをやめましょう。
でも、本当に痛いんだもの_| ̄|○
| bl novel | 14:18 | comments(2) | trackbacks(1) |
甘い生活
甘い生活
甘い生活
木原 音瀬

内容(「BOOK」データベースより)
家庭教師のバイトを始めた清隆の生徒は、不登校の子供だった。本を読む以外に反応を示さない文和に、とうとう清隆は切れて、欲望のままに押し倒してしまう…。―少年と青年の微妙な心の関係を描いた「甘い生活」。高校生に成長した文和が恋に悩む姿をつづった「口唇エレジー」。そして、二人のその後を描いた書き下ろし「太陽がいっぱい」等3本を収録。木原ファン待望の作品がついにノベルズ化。


「甘い生活」という柔らかめなタイトルに妙に安心しつつ読み始めてみたら、さすが木原音瀬氏、タイトルと正反対、激しく痛い話だった。
毎回毎回思うのだけれども、木原音瀬氏は人間を本当に痛く書く。読んでいる読者が居た堪れなくなるほどに。
「甘い生活」は藤井清隆の欲望と偽善に満ち溢れた幼児強姦の日々の記録だった。
その状況でも痛々しいのに、藤井清隆がどうにも人間じみた嫌らしさを持ち合わせているから、更に胸にぐっと来る。
もっと人間らしくない鬼畜な野郎だったら、感情移入もせず、さらりと流せたかもしれない。
だけど、強姦した子供(文和)に必死になって口止めする姿や、今まで散々弄んできた子供に反抗されて怯える姿は酷く醜い。
臆病なくせに、利己的で卑怯な人間、藤井清隆。
それなのに、「口唇エレジー」で中学生になった三宮文和は社交的ではないし無口なものの、バスケもできるし勉強もできるという真っ当な人間になっていくのに、何故だか清隆に盲目的な愛情を抱いているんですね。
正直言って、私は読んでいる途中「何で文和は清隆なんかが好きなんだ」という疑問を何十回も感じました。
だけど、文和の

『好き』
あの男のどこがと聞かれても、わからなくなっていた。もう理屈ではなかった。


という一文を読んで、『ああ、仕方ないことなんだな』と何だか切なくなりながらも納得しました。
これは相手のどこどこが好きだとか、そんな甘い言葉が語れるような優しい恋じゃない。
相手と自分の境目もつかない、もっと皮膚に擦り込まれ、肉に刻まれるような深く重く息苦しい恋だ。
清隆がつれなければつれないほど憎らしく、文和が清隆に一途であればあるほど可哀想で愛しくて、何でこんなに素直な文和が自分勝手な清隆を愛さなくてはいけないんだと何度か運命とやらを呪いました。
だけど、私は何だかんだで清隆も嫌いじゃないんですよね。
清隆のずるさや弱さ、それらが理解できるからこそ、憎み切れない。
木原音瀬氏っていう人は、どうしてこんなにも共感せずにはいられない人間の醜さや弱さを書くことができるんだろう。

清隆や文和に感情移入してぐわーっと悶えつつ読んでいたためか、最後の4ページは読んでいて本当に幸せでした。
痛さの後に待つ何気ない言葉が最高にだいすき。
| bl novel | 15:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
FITTIN FINGER LOVERS
FITTIN FINGER LOVERS
FITTIN FINGER LOVERS
高月 まつり

内容(「BOOK」データベースより)
文化芸術学院に通う成瀬は、服飾コンクールの賞を総嘗めするほど、優秀な生徒だ。そんな彼が次のコンテスト用のモデルを探すため、ひとり街中で『理想』がやってくるのを待ちつづけていると、太陽のような金色の髪を持つ青年を発見!モデルは彼しか考えられなくて、成瀬はその男・幸貴に猛アタックする。その勢いについOKしてしまった広貴がなんとか断れないかと考えているところに、成瀬が会社まで押しかけてきて…。


こういう軽いノリはあんまりすきじゃないんだけど、高月まつりさんが書かれるBL本はどれもカップリングが非常に私好み(ォイ)
女の子みたいなネコは正直BLという感じがしないので、私はちゃんと顔も性格も男男したタチとネコを好みます。
しかし、切ないご時世。
可愛いネコの溢れる腐女子世界、私のような筋肉ゴッツがだいすき (゚д゚lll)ギャア だという腐女は少数派なのです。
高月まつりさんはそんな少数派の癒し系!(何だこの異名)
性格は乙女なのだけれども、男らしい顔のネコを書いて下さる。
というわけで私は高月まつりさんの話は好きか嫌いか微妙なんだけども、カップリングのみ最高にだいすきDEATH(古)


とりあえず不必要な前置きはそのぐらいで、今回の「FITTIN FINGER LOVERS」について、だらだら締りなく語ります。

コンテスト優勝という目標があるためか、物語が向うべき道がちゃんと1本になっていて読者にとって読みやすく、テンポは中々良いです。
コンテストの準備をしてる描写とか、私は結構すきでした。
コンテストに対して(ある程度結果が予期できるけれども)期待が持てて、妙にワクワクした気分になります。
だけど、コンテストにももう少しハプニングがあった方が良かったなというのが正直なところ。
順調に行き過ぎて、途中「あれ? このまま終っていいの?」という気分にさせられた。
折角、当て馬らしき女(酷い)も出したんだから、その女をフルに活かしてアクシデントを起して欲しかった。
憎まれ役は思う存分読者が憎めるように使って下さい。

そして、BL的な要素でこの物語を読むと、非常に物足りない。
ネコがタチに惚れるまでの過程が案外薄く、男同士という葛藤も思い詰めるという程ではなく、結局円満に収まるところに収まったという感じ。
後、エロも少ない。これは「FITTIN FINGER LOVERS」だけに言えることではなく、高月まつりさん著書ほぼ全てに言えることだけども。

散々、コケ散らかしたわけですが、それでも私はこの物語嫌いなわけではないんですよね。
やっぱりカップリングが好みだからでしょうか(待て)
額ツンを連発するのには閉口したとしても、何だかこの2人の性格が何だかんだで割れ鍋に綴じ蓋な感じで妙に可愛らしい。
ラヴラヴみたいなー(本当にだらだら締りなく語り切った)

そういえば、途中で幸貴が桜木花道に見えて仕方なくなりました。
「俺様に不可能はない」みたいな台詞はスラムダン●と被りますから、なるべく控えて下さい。
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